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高級時計には、ブランドやモデルごとに独自の魅力があります。
しかし、すべての高級時計が長く愛用できたり、将来的な資産価値を約束できたりするわけではありません。中には、購入後に予期せぬ維持費用が発生したり、売却時の価格が大きく下がったりするブランド・モデルも存在します。
この記事では、購入後に後悔しないよう、買ってはいけないとされる高級時計ブランドを紹介します。購入時の判断基準となる重要なポイントをお伝えするので、ぜひ最後まで読んで時計選びの参考にしてください。
買ってはいけないとされる高級時計の特徴とは?
大前提として、高級時計を評価する際に、「絶対に買ってはいけない」という基準は存在しません。
人それぞれ好みがあり、他者からの評価や市場価値だけで判断すべきではありません。むしろ、着用する喜びや所有する満足感が得られるなら、それはその人にとって正しい選択だと言えます。
ただし、購入後のトラブルや後悔を避けるために、注意が必要な側面もあります。特に、リセールバリューがよくない時計や、故障が多い時計は、買ってはいけないと定義されることが多いです。
まずは、なぜこの2つの特徴を持つ高級時計を買ってはいけないかを説明します。
リセールバリューがよくない
高級時計のリセールバリューは、将来の資産価値を考える上で重要な指標です。
レザーベルトを採用したモデルは、素材の特性上、経年劣化が避けられません。定期的なベルト交換が必要となり、費用がかさみがちになります。また、使用による劣化は中古市場での評価に大きく影響してしまいます。
ステンレス以外の素材を使用したケースや、特殊な塗装処理を施したモデルは、傷や劣化の修復が難しいです。そのため、中古市場での需要が限られ、価格が大きく下落するリスクがあります。
故障が多い
故障が多いと、その都度修理やメンテナンスが必要になり、費用や時計を使用できない期間が発生します。
中でも、クロノグラフ機能を搭載したモデルは、通常の3針モデルと比べて、内部構造が格段に複雑なため、修理やオーバーホールにかかる費用も比例して高くなります。特に、機械式クロノグラフの場合は、定期的なメンテナンスが欠かせず、その都度専門的な技術と高額な部品交換が必要となることがあります。
リセールバリューがよくない高級時計ブランド
ここからは、リセールバリューの観点から、購入を慎重に検討したほうがよいとされる高級時計ブランドを紹介します。各ブランドの特徴や市場での評価などを具体的に解説していきます。
フランクミュラー
フランクミュラーは、独特な曲線を描くトノー型のケースと、色彩豊かな文字盤が特徴的な高級時計ブランドです。高い技術力を持ち、確固たる地位を築いています。
しかし、個性的なデザインがゆえに、万人には受けず、好みが分かれる印象があります。着用シーンが限定されがちな点も、リセールバリューに影響を与える一因となっています。
また、並行輸入品に関しては、正規店でのアフターサービスを受けられない場合があり、この点も中古市場での評価に影響を与えています。
ルイヴィトン
ルイヴィトンは、ラグジュアリーファッションブランドとして世界的な知名度を誇ります。バッグや革小物での圧倒的な人気を背景に、腕時計も洗練されたデザインのアイテムを展開しています。
しかし、時計業界においては、伝統的な時計メーカーと比べると、後発ブランドという位置づけにされることもあります。特に、ファッションブランドとしての特性上、デザイン面での流行の影響を受けやすい傾向があります。
そのため、発売から数年が経過したモデルは、デザインの古さが目立ちやすく、リセールバリューに影響を与える状況となっています。
ベル&ロス
ベル&ロスは、航空計器をモチーフにした四角いケースデザインで、独自の世界観を確立している時計ブランドです。視認性の高い文字盤と、ミリタリーテイストを取り入れた斬新なデザインが特徴です。
一方で、特徴的なデザインがゆえに、時計に詳しくない層からは、必ずしも高級時計としての価値を見出されにくい面があります。また、スクエアケースという特性上、フォーマルな場面での着用が難しい場合もあります。
加えて、国内での取扱店舗が限られていることも、リセールバリューに影響を与える要因となっています。
ジラールペルゴ
ジラールペルゴは、1791年の創業以来、複雑機械式時計の分野で高い評価を得てきた老舗ブランドです。特に、トゥールビヨンやミニッツリピーターなどの高度な複雑機構の作りで、時計通からの信頼を集めています。
しかし、2000年代のラグジュアリースポーツウォッチブームの際には注目を集めたものの、近年は市場での存在感が薄れつつあります。ブランド認知度の低さや、取扱店舗の少なさも影響し、中古市場での価値維持が難しくなっています。
ゼニス
ゼニスは、高精度なクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」で世界的に知られる実力派ブランドです。技術力は高く評価されており、革新的なデザインと高性能を兼ね備えた新作を次々と発表しています。
しかし、頻繁なモデルチェンジにより、既存モデルの価値が急速に低下する傾向があります。特に、新作発表後の旧モデルは、大幅な値下がりを経験することが多く、投資的な観点からは注意が必要です。
また、正規販売価格と並行輸入品の価格差が大きい点も、リセールバリューに影響を与えています。
故障が多い高級時計ブランド
続いて、メンテナンス面での課題が指摘される高級時計ブランドを紹介します。特に、修理頻度や費用の観点から、購入を慎重に検討する必要があるブランドを具体的に解説していきます。
故障が多い腕時計については自社サービス「カリトケ」で取り扱いをしている腕時計の統計内容となります。
ウブロ
ウブロは、斬新な素材使いと大胆なデザインで存在感を示しているブランドです。特に、ビッグバンシリーズは、現代的なラグジュアリーウォッチの代表格として認知されています。
しかし、クロノグラフ機能を搭載したモデルにおいて、機械的なトラブルが報告されるケースが少なくありません。複雑な機構であるクロノグラフは、一般的に故障リスクが高いとされていますが、ウブロの場合はその傾向が顕著です。
さらに、カーボンやセラミックなどの特殊素材を使用したモデルでは、外装パーツの破損や欠損が発生した際に、メーカーでの修理が必須となり、高額な修理費用が必要となります。
カルティエ
カルティエは、優れた審美眼と確かな技術力で、洗練された時計を生み出しています。特に、タンクやサントスといったアイコニックなモデルは、時代を超えて愛され続けています。
一方で、リューズ周りでの不具合が比較的多く報告されています。特に、時刻合わせや巻き上げ操作の際に、軽すぎる巻き上げ感や、リューズの締め込みが不完全になるケースがあります。
また、カレンダー機構を搭載したモデルでは、日付送りの不具合が発生することがあり、修理には専門的な技術と時間が必要となります。そのため、同価格帯の他ブランドと比較すると、耐久性の面で懸念材料となっています。
価値が下がりにくい高級時計ブランド
これまで紹介してきた注意点を踏まえ、長期的な価値維持が期待できる高級時計ブランドを紹介します。以下のブランドは、確かな品質と市場での高い評価により、時間の経過とともに価値が上がる可能性も秘めています。
ロレックス
ロレックスは、世界の高級時計ブランドの中でも、特に確固たる地位を築いています。その人気の背景には、独自の製品戦略があります。
各モデルには、あらかじめ生産終了時期が設定されており、一度生産が終了すると、たとえ人気モデルであっても再販されることはありません。稀に復刻版が登場することはありますが、記念モデルとして特別な位置づけとなり、オリジナルモデルの価値には影響を与えません。
希少性の高さにより、生産終了後のモデルは価格が上昇する傾向にあります。さらに、時を経てヴィンテージとなったモデルは、コレクターからの需要も高まり、さらなる価値の上昇が期待できます。
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チューダー
チューダーは、近年評価を大きく高めている注目のブランドです。特にブラックベイシリーズは、高い人気を誇っています。
一部のモデルは、定価を大きく上回るプレミアム価格で取引されており、中には100万円を超える価格をつけたモデルも出現するほどの市場の盛り上がりを見せています。
特にクロノグラフやGMT機能を搭載したモデルは、実用性の高さと相まって根強い人気があり、中古市場でも高い価格を維持しています。優れた品質と適正な価格設定が、安定したリセールバリューを支えています。
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グランドセイコー
グランドセイコーは、搭載されているムーブメントによって、市場での評価が大きく異なる特徴があります。
特に注目すべきは、スプリングドライブムーブメントを搭載したモデルです。機械式と電子式の利点を組み合わせた革新的な機構で、グランドセイコーだけが持つ独自の技術です。
希少性の高さと優れた性能から、定価が比較的高額に設定されているにもかかわらず、根強い需要があります。中古市場でも定価の50〜60%程度の高い価格を維持しており、安定したリセールバリューを実現しています。
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高級時計を高く売るためには?
最後に、高級時計をできるだけ高値で売却するために押さえておくべきポイントを解説します。適切なケアや管理、複数の業者比較によって、高額査定につながります。
綺麗な状態を保つ
高級時計の査定において、当然コンディションは非常に重要で、外装の状態が査定価格に大きく反映されます。
そのため、日常的にガラス面を傷つけないように柔らかい布で拭き、ベルトも洗浄しましょう。特にステンレスベルトは、汗や汚れが蓄積しやすいため、定期的な洗浄が必要です。
定期的に丁寧にメンテナンスすることで、単に売却時の価格アップだけでなく、時計本来の輝きと美しさを保ち、長く愛用できるようになります。
付属品を揃える
外箱や保証書、取扱説明書、タグ、予備のコマなど、購入時に付属していたアイテムは、時計の真正性を証明する重要な要素です。
特に保証書は、時計の購入履歴や正規品であることを証明するため、保証書がない場合は、たとえ状態が良好でも、査定価格が大幅に下がることがあります。
また、予備のコマや工具類も価値があるため、適切に保管し、売却時に揃えることで、より高い査定額を期待できます。
複数の業者で比較する
業者によって査定基準や買取価格が大きく異なることがあるため、1社だけでなく、複数の買取業者から見積もりを取るようにしましょう。
査定比較を行う際は、公平な評価を得るために、各業者に同じ条件で査定を出すことが重要です。時計の状態や付属品の有無、買取方法(店頭買取・宅配買取など)を統一することで、より正確に価格を比較できます。
また、業者によって得意とする時計ブランドや年代が異なることもあるため、幅広く査定を依頼することで、より有利な条件での売却チャンスが広がります。
まとめ
高級時計は、魅力や価値を長く保ち続けるものもあれば、予期せぬ故障や価値の下落に悩まされるものもあります。高級時計を選ぶ際は、今回紹介したリセールバリューと故障の観点を気にしてみるのもおすすめです。
ただし、一番大切なのは、自分自身がその時計を愛せるかどうかです。最初にもお伝えしましたが、高級時計を評価する際に、「絶対に買ってはいけない」という基準は存在しません。
他者からの評価や市場価値だけで判断する必要はなく、着用した際に喜びを感じられ、所有する満足感が得られるなら、自分にとって正しい選択だと言えます。
ぜひ長く愛用できる、お気に入りのアイテムを見つけてくださいね。
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