シチズン時計株式会社のご協力の元、新たにシチズンブランド、カンパノラブランドから計14モデルが入荷いたしました。
本記事では、その中でもシチズン独自の光発電技術『エコ・ドライブ』と、その『エコ・ドライブ』搭載のオススメモデルについてご紹介いたします。
シチズン独自の高い技術力とサステナブルへのこだわり
シチズン時計は、腕時計の部品から、完成時計の組立・調整まで自社一貫製造できるマニュファクチュールであり、世界約140の国と地域でビジネスを展開しています。
また、サステナブルな取り組みを重視する経営方針を掲げており、単に品質や機能が優れているだけでなく、人々や地球環境などの社会問題に配慮した製品を数多く生み出しています。
今回は、シチズン時計本社内の「シチズン ミュージアム」に潜入し、1995年に誕生した「エコ・ドライブ」の開発に携わった技術者の方にインタビューを行いました。
開発秘話やここでしか聞けない裏話などを語っていただきましたので、ぜひご覧ください。
技術者の紹介
プロフィール
村上栄基さん
1992年入社。
最初の配属先はムーブメントの設計部門。
10年間にわたりムーブメントの設計に携わる。
その後15年程ムーブメントの企画・管理業務に従事。
現在は品質保証部門に在籍。
シチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」とは
「エコ・ドライブ」とは、クリーンなエネルギーである太陽光やわずかな光を電気に換えて時計を動かすシチズン独自の技術です。
1995年の誕生以降、シチズンを代表するテクノロジーとして注目され、今も改良を重ねながら多くのモデルに採用されています。
「エコ・ドライブ」は高精度でありながら、一度フル充電すれば、光のないところでも長時間動き続け、定期的な電池交換をする必要のないのが特徴です。
あらゆる場面で使うことを想定し、充電量の表示、警告機能や過充電の防止などに加えて、海外でも瞬時に時刻を合わせてくれる機能など、約20以上の多機能が搭載されるモデルもあります。
「エコ・ドライブ」の機能とメリット
＜「エコ・ドライブ」の機能について教えていただけますでしょうか＞
「エコ・ドライブ」というと光で発電する技術またはテクノロジーというイメージを持たれている方が多いと思いますが、実は大きく3つの基準があります。
・電池の交換が必要ない
・わずかな光で動作する
・たとえ暗闇でも半年以上動き続ける
開発時にこの3つの基準の達成を掲げて取り組みました。
最低限この基準を満たすものでなければ、「エコ・ドライブ」とはみなしていません。
"光で発電する"というだけでなく、半年以上の期間止まらずに動き続けるということも重要なテーマです。
＜なぜ電池を交換する必要がないのでしょうか＞
光を電力に変えて、腕時計を駆動しているからです。
電池で動くクォーツ式時計の電池は通常2～3年ほどで交換が必要になりますが、「エコ・ドライブ」は光を受けることで、内蔵されたソーラーセルが発電し時計を動かします。日常のわずかな光でも腕時計を駆動できるように設計されているため、定期的な電池交換は必要ありません。
＜わずかな光でも動作することができる秘訣はありますか？＞
人が日常生活で腕時計を着けているときは、ずっと腕を固定しているわけではないので、腕時計は1日にあらゆる方向や角度を向くことになります。
着けている状態の様々な角度から入ってくる光を逃さず電気に変える設計にしているため、わずかな光でも動作します。
また、動作に必要な電力の量を下げる工夫もしています。
＜半年以上という基準にした理由は？＞
お客様が止まってしまうことを気にせずに使って頂ける腕時計を作りたかったからです。
夏は半袖を着る人が多いのでたくさん発電するんですが、冬は長袖を着る人がほとんどなので、時計が袖に隠れてしまうんですよね。
半年以上動き続けるというのは、シーズンごとの影響を受けないようにするための考慮があります。
＜携帯電話のように、充電しすぎると良くないということはないんですか？＞
一定以上の電力を蓄えるとそれ以上充電されないように制御がかかるようになっています。
光をキャッチする仕組み
＜「エコ・ドライブ」はどのようにして光を取り入れているのでしょうか＞
スタンダードソーラーとリングソーラーという2つのタイプのソーラーセルを、モデルの特性に合わせて使い分けています。
スタンダードソーラーは文字板の下にソーラーセルを配置するスタンダードなタイプです。
発電効率が高く、先進機能を搭載する多くのモデルで採用されています。
スタンダードソーラーはパネルの紫色が文字板に透けてしまうため、文字板の色の調整に苦労しました。
もちろん今でも、デザインの自由度を上げられるように改良にはキリがありません。
毎シーズンの新作シリーズの発表に向けて、デザインと中身の改良に日々取り組んでいます。
リングソーラーは文字板外周部にリング状のソーラーセルを配置するタイプです。
文字板に光を透過する素材を使用する必要がないため幅広いデザインが可能ですが、発電量が減ってしまうことが課題でした。
そのために、以前は機能を削ったりもしましたが、今はかなり改善されているため、デザインと機能を両立させることができています。
現在ではモデルの特性に合わせて、スタンダードソーラーとリングソーラーを使い分けています。
開発秘話
サステナビリティへの意識について
＜今でこそサステナブルな取り組みが注目されていますが、「エコ・ドライブ」の開発当時からサステナブルな取り組みへの意識があったのでしょうか？＞
サステナビリティに関しては開発当初から意識がありました。
数ミリの小さな電池といえど、使用後に廃棄となってしまうのは環境に良くありません。
お客様にとっても電池交換の必要がないのは良いことですし、作る側にとっても廃棄電池を減らすことができるのは大きな意味があります。
苦労や拘った部分
＜どのようなことが大変だったんでしょうか？＞
色々ありますが、約1年間実施する動作テストですね。
数十人に着けてテストをしてもらうのですが、常に充電されている人もいれば、使い方が想像しづらい結果の人もいました。
また、季節によって半袖や長袖など時計の露出状況が異なるのも課題でした。
使用状況など、人によって全く違いますからね。
また、当日のテストでは、腕にバンドを巻いてもらって生活をしてもらうことが必要だったので、協力してもらえる人を探すのも大変でした。
多くのデータを集め、良くない結果のデータがとても貴重なんです。
それが見つかるたびに改善し、完成形に近づけていくことの繰り返しでした。
＜利用者への思いを聞かせてください＞
多機能で品質が良く、精度も高い。
久しぶりに机の中から取り出しても、そのままさっと着けて出かけることができるので、ソーラー時計であることを意識せずに使って頂きたいです。
「エコ・ドライブ」搭載の人気シリーズ
今回新たに取り扱いをスタートした商品の中から、「エコ・ドライブ」を搭載した人気シリーズとオススメのモデルをご紹介します。
気になる商品がございましたら、ぜひレンタルしてみてください。
アテッサシリーズは、軽くて丈夫な独自素材のスーパーチタニウム™素材を主に採用し、快適な着け心地と高い耐久性があり、また多くの機能を持つ時計として人気のシリーズです。
主に「エコ・ドライブ」を搭載しており、ビジネスシーンもカジュアルシーンにも似合う豊富なデザインラインアップで、高い支持を得ています。
ACT Lineは、多様化するライフスタイルの中で薄れてきているオンとオフの境目をつなぎ、どんなシーンでも腕に自信を与えてくれるコレクションです。
文字板には新開発の金属粉体塗装を用いることで、金属文字板のような高級感のある仕上がりになっています。
機能の面では、時刻・カレンダーを自動修正してくれる「サテライト ウエーブ GPS」や、簡単に海外の時刻に合わせることができる「ダブルダイレクトフライト」などを含む21個もの機能を搭載しています。
素材には軽くてキズやサビに強いスーパーチタニウム™を採用しているため、安心して日常使いをすることができます。
クールなブラックと相性の良いピンクゴールドは大人な印象で、スーツとの相性も抜群です。
また、Tシャツなどに合わせても、ラフな格好を上品に仕上げてくれるでしょう。
様々なシーンで活躍してくれる、まさに1本持っておくだけで万能な役割をこなしてくれるモデルです。
アテッサのステンレスベルトモデルです。
秒針のオレンジのアクセントカラーが特徴的な、力強さの中に躍動感が溢れるデザイン。
文字板内はすっきりとしていて、ライトレベル インディケーターやデイ＆デイト表示などそれぞれの機能がセパレートした、ビジネスシーンで使いやすいスマートな設計になっています。
スタイリッシュなモデルなので、スーツはもちろん、Tシャツやシャツなどのスタイルにも自然に溶け込んでくれます。
どんどん多様化していくライフスタイルだからこそ、どこにいても電波を受信してくれるGPS機能を搭載したモデルはデイリーユースにオススメです。
いつでも正確な時刻を把握することができる電波時計の中でも、トレンドカラーであるグリーンが特徴的なモデルです。
差し色には赤が採用されているため、他のモデルよりもややスポーティさが強調されています。
グリーンは一見合わせづらいように見えますが、安心感や調和の意味を持つカラーなので、シンプルなカラーのものと相性抜群。
重量も95gと軽く、ずっと着けていても疲れないので、ちょっとしたランニングなどの際にも手元をお洒落に飾ってくれます。
スーツに合わせると爽やかな感じに、オフシーンではナイロンやポリエステルなど、化繊素材のアイテムと合わせるのがオススメです。
プロマスターシリーズは耐久性が高く、過酷な環境にも対応できるタフさが魅力のスポーツウォッチシリーズです。
シーンに合わせて、フィールドウォッチ「LAND」、ダイバーズウォッチ「MARINE」、パイロットウォッチ「SKY」の3つのモデルに分かれています。
武骨で男らしい見た目に、プロユース向けの高いスペックと機能を兼ね備えているので、THE男のカッコよさを求める方にオススメです。
パイロット向けのSKYシリーズのモデルです。
航空計算尺やGPS機能を搭載した本格的なパイロットウォッチ仕様はまさしくプロユース向け。
文字板のパーツは5層にも重ねられていて、それぞれの層ごとに各機能が分かれています。
デザインはコックピットの計器やヘッドアップディスプレイからインスピレーションを得たもので、メカ好きにはたまらない雰囲気。
しっかりと腕時計の存在感がありながらも軽くて着け心地の良いモデルです。
デニムやミリタリージャケットなどのファッションとの相性が良く、より男らしさを演出することができます。
挑戦し続ける冒険家のためのフィールドウオッチがコンセプトのLANDシリーズのモデルです。
「エコ・ドライブ」に備わっている標準機能以外には、日にちと曜日がわかるデイ＆デイト表示機能を搭載したシンプルな機能のモデルになっています。
秒単位で自動的に時刻を修正してくれる電波時計な上に、針と文字板の数字が大きく視認性が高いデザインなので、いつでも正確な時刻を把握することができます。
ねじ込み式のリューズを採用しているため、突起部分が目立ちづらく、ベゼルと一体感のある印象。
マットに仕上げられた黒一色のチタニウム素材が、よりスポーティな印象を醸し出します。
ケースサイズは39mmといま流行りの少し小ぶりなタイプなので、カジュアルなファッションにも合わせやすい時計です。
200mの防水性能と9時位置に最大70mまで計測が可能な針式水深計を備えているMARINEシリーズのモデルです。
水圧センサーやねじロックボタンは左側に備えられているため、他の時計にはあまりない特徴的なデザインになっています。
文字板はわかりやすく、それぞれの針も太いものが使われているため水中でも高い視認性を誇ります。
海や水中を連想させる薄い水色は、これからのシーズンに思わず着けていきたくなるカラーリング。
大き目のサイズで厚みもあるので、カジュアルなハーフパンツやシャツ、キャップなどのアイテムと合わせてみてはいかがでしょうか。
シチズン エルシリーズは、「センス・オブ・ワンダー」をコンセプトに、地球の美しさや自然の神秘を表現したレディースのシリーズです。
雄大な自然、多様な生物の魅惑的な美しさをありのまま表現すべく、素材やパッケージには地球に優しい素材を使用しています。
自然の優雅なエネルギーと共に、手元に安らぎを与えてくれるシリーズをぜひご覧ください。
光の角度によって、黒から赤に変化する文字板カラーを愉しむことができるモデルです。
自然界にある美しい色を特殊なインクの開発により完全に再現しています。
ベースカラーのブラックとその時々によって現れる赤と黒のカラーが混ざり合い、水平線越しの夜空が明けていくような、夜明け前の光を待つ時間を表現しています。
3,6,9,12時方向に配置されたラボグロウン・ダイヤモンドと相まって、希望に満ちた1日の始まりを迎えられそうです。
サステナブルと密接な関係を持つ自然をテーマにしているため、こだわっているのが素材。
ベルトには回収されたペットボトルや衣料品をリサイクルしたECOPET®(注)素材を、文字板内のダイヤは硬度、輝度は天然ダイヤモンドと同じでありながら、環境や安全に配慮したラボグロウン・ダイヤモンドを採用しています。
落ち着いた白や黒などのモノトーンのアイテムと合わせると、ファッションを際立たせてくれます。
一部ECOPET®を使ったニット素材バンドとステンレスのメッシュバンドがセットになっていますので、気になる方をぜひ試してみてください。
(注)エコペット／ECOPET®は帝人フロンティア株式会社の登録商標です。
地球に存在するあらゆる物質を構成する四種の元素「地・水・火・風」をそれぞれコンセプトに構成されたシリーズです。
今回ご紹介するのは「火」をコンセプトに、朝陽が空を染めていく一瞬を白蝶貝文字板で表現した神秘的なモデル。
素材はEM1007-47Eと同様ですが、ケース素材のみ軽くて丈夫なスーパーチタニウム™を採用しています。
明るくクリーンな色味で、シンプルなブラウスなどのオフィスで働く綺麗目なファッションとの相性が良さそうです。
爽やかな朝の空の文字板の雰囲気と心地よい着け心地をぜひお楽しみください。
まとめ
いかがでしたしょうか。
シチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」を搭載したムーブメントの機能や開発秘話、オススメモデルについてご紹介いたしました。
気になる方は、ぜひレンタルしてみてください。
