私はもともと小ぶり軽量モデルが大好物なのですが、だんだん暑くなって夏に向かってますし(ただいま5月半ば)、鉄の重さの60%しかないチタン製ですし、ど派手な黄色いインナーベゼルだし、これはお借りして魅力を感じてみるしかない!ということで今回お借りしました。120m防水を持つ鈍色(にびいろ)のチタンケースが何とも頼もしい。耳をあてると、分厚いケースを通してcal.79470のテンプの音が小気味よく聞こえ、機械式の鼓動を感じることができる面も併せ持っています。ただし、重量バランスはヘッド7:ブレス3くらいの感覚で、16.3mmの分厚さも相まって結構外に振られがち。3つの時間計測機能を持っています。「3つもあって、どれを使うねん」と迷います(笑)。"どっしり測ろうか"というときはインナーベゼル。4時位置のリューズをゴリゴリ回して長針に合わせれば、最大限の視認性を発揮して60分間を測れます。"かっちり測ろうか"というときはおなじみクロノ機能。そして"さくっと測ろうか"と言うときに本機のギミックが最大に魅力を発揮します。「アクアタイマー・スプリット・ミニッツ・クロノグラフ」というらしいのですが、「おっし、今から何分経過したかを計るぜ」というときに、8~9時位置のロッカースイッチをパチン!とオン(-)にすると、長針の下に隠れていた(!)もう一本の細めの黄色い針が止まり、地味に計測開始。長針はそのまま進む。で、「よっしゃ、ここで終わりやで」という時に長針と細身黄色針の差で「お-、5分たった」という具合に読みます。そして「ももええで」となったら先ほどのロッカースイッチをパチンとオフ(〇)にすると、細身黄色針はヒュッと長針の下に戻ります(フライバック)。何秒間、というような精密な計測はできませんが、クロノの小さい30分積算計よりも視覚的に見やすいし、本来は潜水時の浮上や減圧調整に使うスプリットミニッツ機能なんだそうですが、日常でもインスタント計測用にぴったりという感じです。秋冬はどう感じるか微妙ですが、太陽光がきつい春夏シーズンは、大口径かつ抜群の視認性で瞬時の読み取り性能を提供してくれる本機。腕元の頼りがいある存在として安心感を与えてくれる、頼れる一本です。いま、存分に魅力を堪能しています。お借りして、よかった!