腕時計のトラブルの原因と対処法

ずっと憧れ続けて、ようやく手に入れたマニュファクチュールの腕時計が、ある日突然止まってしまったら…。あまり考えたくはないトラブルですが、絶対に起きないという保証はありません。大事な時計を長く使うためにも、機械式腕時計のトラブルの原因や対処法、トラブルを予防する対策を、しっかり学んでおきましょう。

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自動巻き腕時計が止まるなどのトラブルの原因は?

いまの世の中はデジタル表示で時刻がわかりやすく、しかもお値段の安い腕時計はいくらでもありますが、やはり男にとって魅力的なのは、精巧な歯車の動きで時間を計測する機械式の腕時計でしょう。

カチカチと時を刻む時計は、メカニック好きの男のロマンをかきたてるだけでなく、自分のステイタスをあげてくれるアイテムとして、ファッションの中心になってくれます。

そのため高級時計メーカーの発売する腕時計を好む男性は多く、なかでも昔ながらの手動式や、電池交換の必要のない自動巻きといった機械式の腕時計が人気なのですが、この腕時計を、「高級な腕時計は丈夫で、長持ちするから」と勘違いして使っていませんか。

確かに時計は精巧に作られた機械で、中には年十年と動き続けている名作もあります。

ですがこれはきちんとした扱いを受け、必要なメンテナンスを受け続けているからこそ実現しているもの。

機械式のムーブメントはクォーツ式よりもデリケートなので、ちょっと扱いを間違っただけでも、次のようなトラブルが起こるリスクがあります。

・針が急に止まる

・全く動かなくなる

・正しい時刻や日付の表示ができなくなる

・ケースの中が水滴で曇る

・コマや部品が突然外れる

ケース内の水滴は防水加工を過信して水に濡らしてしまった場合や、乱暴に扱ったなど原因がはっきりとしていますが、怖いのは急に止まることや誤作動が起きることでしょう。

特にリスクが高いのが、自動巻きの時計です。

「自動巻き」ムーブメントとは、ケース内部に設置されたローターが腕の動きにあわせて回転し、自動でゼンマイを巻き上げて動いています。

定期的にリューズを手で巻いてゼンマイを巻き上げる手巻き式の時計よりも、構造ははるかに複雑です。

減速車・切り替え車・角穴駆動車といった自動巻き特有の部品も多いため、乱暴に扱うと部品同士がこすれてケース内に微細な金属屑がでてしまい、研磨剤のように歯車や軸を削って内部から壊してしまうことも多いのです。

自動巻きの場合は腕の動きが少ないと駆動力不足で誤作動を起こしがちなので、1日に8~10時間ほど身に着けて生活をする必要があります。運動不足を強制的に解決しようと、時計を振って補おうとするのはもってのほかです。

精密な機械構造であるだけに、激しい衝撃や振動は大事なムーブメントを壊すリスクが高いので、取り扱いはメーカーの説明書に従って大事に腕時計を取り扱いましょう。

手巻き腕時計が止まるなどのトラブルの原因は?

構造が複雑な自動巻きに対して、手巻き式のムーブメントの構造はいたって単純明快。

リューズをつまんで回すと巻き真とキチ車が同時に回転し、キチ車とかみ合った巻き上げ機構部が回転して、内部にあるゼンマイを巻き上げてくれます。

毎日定期的に時計を巻き上げて、自分の力で時計を動かす。

これこそがアナログくさいと言われようとも手巻き式ムーブメントの魅力なのですが、構造は単純でも、扱いを間違えれば針が止まるなどの故障やトラブルが起こります。

中にはリューズの巻き止まりまで来ているのに、それにかまわず巻き上げてしまい、ゼンマイを切ってしまうという致命的なトラブルも。

手巻き式の場合は、リューズを巻きあげる力がかかる軸に繋がるキチ車と丸穴車の歯先の接地面積が少ない仕様になっています。強い力をかけすぎたり、乱暴な扱いをしたりすると歯車が破損し、もしくは摩耗して正確に時を刻むことができなくなります。

リューズの巻き上げは慎重に、時刻合わせをするときにも大幅な針の逆走をしないように、丁寧に扱うことを心掛けましょう。

機械式のムーブメントの部品は遠く離れて動いているものであっても、ケース内の部品全てが連動しあって駆動しています。

そのため一つでも部品が破損すれば、ムーブメント全体にダメージがおよぶリスクが。

単純な構造の手巻き式だからこそ、わずかなミスや思い違いが大きなトラブルを引き起こしかねません。

使い初めだけでなく使い慣れても、たまにはメーカーの取説も見返してみて、大事に扱うことを心掛けてください。

腕時計のトラブルを避けるためにオーバーホール

大きさや機能に違いはありますが、時計も車も基本的には同じ金属部品から構成される機械です。機械式の時計の場合は歯車や軸がかみ合うことで少しずつパーツが削れていくので、金属屑を取り除いたり、摩耗したパーツを取り換えたりしないと、長く時計を愛用することはできません。

車に定期的な車検が義務づけられているように、時計にも定期的な修理や点検、すなわちオーバーホールが必要です。

といっても、自分でケースを開けてセルフでオーバーホールなんてことは絶対にしてはいけません。

手巻き式であれ自動巻きであれ、時計のムーブメントは素人が好奇心で手を出して良いものではありません。

オーバーホールは時計のメーカーや、時計修理の専門店に任せましょう。

一般的にオーバーホールを必要とするのは、新品の時計で購入から3年が目安といわれています。

その後も3~4年を目安に定期的にオーバーホールに出し、分解と洗浄、注油や摩耗した部品の交換、タイミング調整などをプロにしてもらいましょう。

オーバーホールの際にケースやメタルブレスレットなどを磨いてもらうと、まるで新品のような腕時計の美しさがよみがえります。

メンテナンスをこまめに受けることが、時計を長く使うコツでもあります。

オーバーホールにかかる費用は時計メーカーによっても違うのですが、国産メーカーよりも外国メーカーの方がお高めです。

高級ブランドや、構造が複雑なハイクラス品ほどメンテナンスにはお金がかかりますので、腕時計の購入を検討する場合にはメーカーのホームページなども確認して、オーバーホールにどれぐらいのコストがかかるのかも確認をしておくといいでしょう。

一見面倒なようにも思えますが、良い時計がより丁寧な扱いや、より入念なメンテナンスを必要とするのは、仕方がないこと。

逆に言えば、そういった手間ひまをかける余裕があるからこそ、良い時計を持つ資格があるのです。

高級時計メーカーの機械式の時計は購入費用がお高いだけでなく、オーバーホールなどにもお金はかかりますが、きちんとした扱いさえすれば、一生物です。

良い時計ほど大事に扱って、長く愛用していきましょう。

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